柿踏み日誌

フミフミ

ドラマ「ブラッシュアップライフ」が面白い

日曜日の夜、日本テレビで放送中の連続ドラマ「ブラッシュアップライフ」が面白い。
バカリズム脚本のオリジナルドラマ。オリジナルドラマということは、原作が無いので先の展開が読めなくて、でもそこが楽しい。

(まったくネタバレしないでこのドラマの感想を書くのは難しいので、以下多少のネタバレを含みます)

時間の流れを飛び越えてタイムスリップする小説や映画、ドラマはたくさんあります。その中でも同じ時間の流れを繰り返すタイムループと呼ばれ作品もまた少なくないです。

私が最初に思い出すのはアニメ「時をかける少女」。
ちょっと古い海外小説になりますがケン・グリムウッドの「リプレイ」もタイムループものです。(「リプレイ」は日本でも「君といた未来のために 〜I'll be back〜」というドラマになりました。)

「ブラッシュアップライフ」が今までのタイムループものと違うところは、主人公が「人生をやり直したい」と思っていない点でしょうか。

イムループもので多いのは、主人公が自分の人生に納得いかなくてもう一度人生を繰り返すチャンスを活かしてより良い人生を掴み取ろうとするパターンです。
2回目以降の人生で、成功者目指すケースが多いです。私だってもしそういうチャンスがあればそうしますから(笑)。

「ブラッシュアップライフ」の主人公・麻美(安藤サクラさん)はそういう野望のようなものはなく、ただ次に生まれ変わるのがオオアリクイだと聞いてそれを避けるために「徳を積む」ことを目的として生まれ変わります。
この発想が斬新です。

「徳を積む」ために、大金持ちになるとか有名人になるとか、そういう俗人的な野望を果たすために生き直すのではなく、身の回りの人々を救う小さな徳を積み重ねる麻美が健気です。

よく考えると「徳を積む」って難しい課題ですよね。なにが「徳」なのか、その人の考え方によって大きく異なるし。


そんな難しい課題をクリアするための麻美の転生も5回目に入りました。

ただ、4回目の人生は今までとは違って大きな変化がありました。

まず、今までずっと仲良しだった2人の友だち、なっち(夏帆さん)とみーぽん(木南晴夏さん)との距離ができてしまいました。幼馴染3人の会話がすごく楽しかったので、そのシーンが見られないのは残念です。


そして、今までチラっとだけ出ていた謎の女(水川あさみさん)の正体がわかりました。
なんと謎の女も実は幼馴染で、3人と同じ仲良しグループのひとりのまりりんだと判明。しかもまりりんも麻美同様に転生を繰り返していた!これはまったく予想してなかったのでびっくりしました。


さらに、1回目の人生の市役所勤めで同僚だった河口(三浦透子さん)と偶然再会。彼女も転生を繰り返していました。


ここにきて転生してる人間が3人に!!

面白いのが、3人の転生する理由がそれぞれ違うことです。

麻美は人間に転生するために。
まりりんは事故死する友だちを救うために。
河口さんはゲーム感覚で同じ人生を楽しむために。

3人とも「自分の人生が気に入らなくてやり直すため」ではないところが面白い。
こういうタイムループものやタイムスリップもので人生をやり直す場合、「前世がろくなものじゃなかったから次は成功してやる!」みたいなモチベーションをもってるケースが多いんだけどね。

特に河口さんの転生する理由が面白い。
好きなことを楽しむ人生をほぼほぼ同じように何度も繰り返すという選択。


さて、主人公・麻美は4回目の転生の次は人間に生まれ変われることに!
やっと目的を達成できたのに、また近藤麻美として生まれ変わることを選んでしまう。

それはなぜか?

ずっとドラマを見てきた人たちにはその理由がわかるはず。

別の人間として生まれ変わるチャンスを捨ててもう一度同じ人間に転生することを決める前の、安藤サクラさんの表情が絶品!
セリフではないけど「あーあー、しょーがない」と悟ったような諦めたような泣き顔のような表情。
やっぱりすごい俳優さんだ。


「ブラッシュアップライフ」残りはどのくらいあるのかわかりませんが(後2回くらいかな?)、最後はどうなるのか本当に楽しみです。